2024/12/22 16:58
◉ 蟻鱒鳶ル(ありますとんびる)
所在地:東京都港区三田/階数:地上4階、地下1階/構造:RC造(鉄筋コンクリート造)
蟻鱒鳶ルは、2005年から建築家の岡啓輔が友人らとセルフビルドで建設しているビル。あらかじめ細かな設計図は描かず、現場に身を置き、即興的につくることを旨とする。そこには、岡が取り組んできた「舞踏」の経験が生かされている。独自の工法でコンクリートの質にこだわった結果、蟻鱒鳶ルのコンクリートは200年持つと専門家から言われている。建設中に蟻鱒鳶ルの土地を含む一帯が再開発区域となり、一時は取り壊しの危機にあったが、広報活動や粘り強い交渉の末、再開発の一部として建設続行が決まる。着工19年目の2024年10月末に一旦の完成を迎えた。再開発組合との契約で、2025年夏に10メートル後方に曳家することが決定している。
2000年 東京都港区三田に40平方メートルの土地を購入
2003年 蟻鱒鳶ル案が「SDレビュー」に入選(藤森照信賞)
2005年 蟻鱒鳶ル着工
2009年 蟻鱒鳶ルの土地が再開発区域に指定され、広報活動を開始
2013年 「タモリ倶楽部」で蟻鱒鳶ルを取材・放映。再開発の一環として建設続行が決まるも、後日決定を覆されるなど二転三転する
2018年 『バベる! 自力でビルを建てる男』(筑摩書房)刊行
2022年 蟻鱒鳶ルの「いま」を伝える雑誌『月刊 蟻鱒鳶ル売り鱒』創刊
2023年 第3回 山田幸司賞受賞
2024年 10月末に建築工事完了
2025年 10メートル後方に曳家(予定)
2026年 蟻鱒鳶ルを含む再開発区域一帯が竣工(予定)
主な展覧会歴
2019年 のせでんアートライン2019「もう一度、グリグリと強い線を引く」(大阪)
2018年 「アリマストンビル展」ペンシルベニア州立大学・建築学科ギャラリー(ペンシルベニア)
「建築の日本展 その遺伝子のもたらすもの」森美術館(東京)
2017年 「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」東京国立近代美術館(東京)
「The Japanese House Architecture and Life after 1945」バービカン・アートギャラリー(ロンドン)
2016年 「The Japanese House Architecture and Life after 1945」イタリア国立21世紀美術館(ローマ)
2015年 「3.11以後の建築」水戸芸術館(茨城)
2014年 「3.11以後の建築」金沢21世紀美術館(金沢)
2009年 「一人快芸術」広島市立現代美術館(広島)
主な取材記事
20年かけた異形の建物「蟻鱒鳶ル」がついに完成!? 手がけた建築家・岡啓輔さんの思いを聞く(さんたつ by 散歩の達人)
「蟻鱒鳶ル」から考える"ゆっくり作る"未来のこと。岡啓輔氏インタビュー。(Less is More.by info Mart Corporation)
セルフビルド(自力建設)に挑む(三田評論)
日本のサグラダ・ファミリアを建て続ける男がいた(BuzzFeed)
A creative force in a concrete jungle: Architect's Tokyo project draws on love and improvisation(The Japan Times)
杉本博司が案内する おさらい日本の名建築(Casa BRUTUS)
僕は建築のいらない世界をずっと夢見てきた。岡啓輔インタビュー(HAPS PRESS)
主な映像
【潜入レポ】東京都心で自力で建築するビルを見学したらヤバすぎた…【ずんだもん&四国めたん解説】蟻鱒鳶ル(ずんだハウス)
【バベる!】自力でビルを建てる男「三田のガウディ」の挑戦《蟻鱒鳶ル》(楽待 RAKUMACHI)
【バベる!】自力でビルを建てる男「三田のガウディ」の挑戦《蟻鱒鳶ル》(楽待 RAKUMACHI)
ILA BÊKA & LOUISE LEMOINE《ButoHouse》
◉ 蟻鱒鳶ル売り鱒(ありますとんびるうります)
ウェブショップ「蟻鱒鳶ル売り鱒」では、蟻鱒鳶ルにまつわる商品を販売しています。蟻鱒鳶ルそれ自体も、後世に残すため買い手を探しており、蟻鱒鳶ルの魅力を広く伝えるべく、広報・アーカイブの一環として雑誌やグッズを制作しています。
蟻鱒鳶ルの「いま」を伝える月刊誌『月刊 蟻鱒鳶ル売り鱒』は、2022年12月に創刊準備号(第0号)を刊行、2024年12月末現在、第23号まで刊行中。2025年からは、隔月刊で偶数月に刊行予定です。岡さんをはじめ、蟻鱒鳶ルの建設に関わる「蟻鱒鳶ルダーズ(ありますとんびるだーず)」が作業を通じて感じたことなどを寄稿しています。写真、文章、音楽、絵……と、スタイルはさまざま。世にも珍しい「建築現場雑誌」です。毎月26日発売、A5判60ページ、モノクロ、定価600円。
『月刊 蟻鱒鳶ル売り鱒』以前については、蟻鱒鳶ル保存会のブログ記事を参照ください。
主な取り扱い店
『月刊 蟻鱒鳶ル売り鱒』は、本ショップの他に下記の書店等でお求めいただけます。各店の在庫状況は店舗に直接お問い合わせください。
・汽水空港(鳥取・東郷湖ほとり
・kamebooks(千葉・市川)
・taramu books & cafe(福岡・大牟田)
※ 取り扱いをご希望の書店様はこちらにご連絡ください。
